HDMIバージョン
HDMI 規格は、家庭用電化製品とパソコン市場におけるデジタル インターフェイスの標準規格として、HDMI Foundersと呼ばれる7社(日立、パナソニック、フィリップス、Silicon Image、ソニー、トムソン、東芝)が開発したものです。
「バージョン1.x」と「バージョン2.x」
HDMI 規格には、「バージョン1.x」と「バージョン2.x」の2系統のバージョンが存在します。
HDMI バージョン1.x
「バージョン1.x」については、2002年12月9日に策定された「バージョン1.0」から2011年10月11日に策定された「バージョン1.4b」まで不定期に更新されました。これらのバージョンについては、HDMI Foundersのうちの1社であるSilicon Imageの全額出資子会社であるHDMI Licensing, LLC.が、採用企業、小売店および消費者に対する HDMI 規格のライセンスの認可を担っており、新しいバージョンがリリースされるたびにHDMI Licensing, LLC.によって発表されていました。
2011年10月25日にHDMI Founders7社によって非営利法人HDMI Forum Inc.が設立され、HDMIの規格については今後HDMI Forum Inc.が策定する旨の発表がなされました。そして「バージョン1.4b」を最後に今後改定する予定がない旨の発表がありました。
リリース記事(Internet Archive:英文)
HDMI バージョン2.x
2013年9月4日に「バージョン2.0」がHDMI Forum Inc.によってリリースされました。
2017年3月現在の最新バージョンは「バージョン2.0b」です。
HDMI製品については、全面的に製品へのバージョン表記が禁止されています。
HDMIバージョン改定における主要機能の変遷
バージョン1.0
2002年12月9日にリリース
1本のケーブルによって機器間のデジタル映像信号とデジタル音声信号を同時に伝送する規格として定義されました。
最大帯域幅は、4.95Gbps、最大3.96Gbpsまでの映像信号と最大8ch LPCM、サンプルレート192kHz、24-bit audioまでの音声信号をサポート
バージョン1.1
2004年5月20日にリリース
DVD-Audioフォーマットのサポートを追加
バージョン1.2
2005年8月8日にリリース
One Bit Audioフォーマットの8chまでのサポートを追加(スーパーオーディオCDなどの使用が可能)
パソコンにHDMIを搭載するにあたっての仕様の策定
低電圧ソース機器のサポート
バージョン1.2a
2005年12月14日にリリース
CEC(Consumer Electronic Control:機器間制御)の機能、コマンドセット、CEC Compliance Testの策定
バージョン1.3
2006年6月22日にリリース
最大帯域幅の拡張(10.2Gbps)
ケーブルカテゴリー(Category1、Category2)の導入
Deep Color(色深度が8bitから10bit,12bit,16bitへ拡張)
カラースペースの拡張(x.v.Color™)
ミニコネクタ(Type-C)の追加
Lip Sync(映像と音声の同期)の追加
ロスレスオーディオフォーマットの追加(Dolby TrueHD and DTS-HD Master Audio™)
バージョン1.3a
2006年11月10日にリリース
Type Cのためにケーブルとシンクを修正
バージョン1.4
2009年6月5日にリリース
マイクロコネクタ(Type-D)の追加
自動車用コネクタ(Type-E)の追加
ARC(Audio Return Channel)
3Dフォーマットの追加
最大解像度を4K×2K(30Hzまで)へ拡張
HEC(HDMI Ethernet Channel)
カラースペースの拡張(sYCC601、Adobe RGB、Adobe YCC601)
バージョン1.4a
2010年3月4日にリリース
放送業界向けに3Dフォーマットを追加
バージョン1.4b
2011年10月11日にリリース(「バージョン1.x」系の最終バージョン)
3Dフォーマット(1080p@120Hz)の追加
※HDMI Forum Inc.が「バージョン1.4b」を今後改定する予定がない旨発表
バージョン2.0
2013年9月4日にリリース
[映像] 最大帯域幅の拡張(18Gbps)4K サポート (60Hzまで)
アスペクト比 21:9(2.35:1)のフォーマット(映画館と同等)を追加
Dual Video Stream(最大2ch)
[音声] サンプリング周波数の拡張(最大1536KHz)
Multi-stream Audio(最大4ch)
ダイナミック・シンクロナイゼーション(映像と音声の同期)
[制御] CEC(Consumer Electronics Control)の拡張
バージョン2.0a
2015年4月8日にリリース
HDR(High Dynamic Range)フォーマット(CTA 861.3)の追加
バージョン2.0b
2016年3月(リリース日:一般公開なし)
※2016年3月5日〜3月19日の間に変更がなされた模様
参考ページ(英語:archive.org)
HDRフォーマット(CTA-861-G)の追加
バージョン2.1(予定)
2017年1月4日に「バージョン2.1」の概要についてリリースされました。
最大帯域幅の拡張(48Gbps)
10K サポート (120Hzまで)
※規格書については2017年4月〜6月のリリースを予定
※CTS規格書については、2017年4月〜9月のリリースを予定